チンパンジーのTVバラエティ等における使用に関する緊急のアピール

2007年10月11日

 私たち「アフリカ・アジアに生きる大型類人猿を支援する集い(Support for African/Asian Great Apes、通称SAGA)」は、大型類人猿に関わる人々が、かれらに関心をもつ一般の方々とともに、その将来を考え、共通する目標に向かって手を携えていく集いです。SAGAが掲げる目標は、発足時に「大型類人猿の研究・飼育・自然保護にかんする提言」としてまとめられた以下の3項目です。
1) 野生の大型類人猿とその生息域を保全する
2) 飼育下の大型類人猿の「生活の質(QOL)」を向上させる
3) 大型類人猿を侵襲的な研究の対象にせず、非侵襲的な方法によって人間理解を深める研究を推進する。

昨年私たちは、当時放映されていたテレビ番組やCM等において、チンパンジーの取り扱いに不適切な点がみられ、ひいては人類と大型類人猿の共存・共生に悪影響を及ぼしかねないと懸念し、関係各所に要望書を提出し、本サイトにおいても公開いたしました。その結果、当時のフジテレビ社長からは改善を約した手紙が代表の松沢哲郎宛に送られ、「チンパンニュースチャンネル」についてはこの春で放映が終了され、私たちの思いが通じたものと喜んでいました。

 ところが、2007年10月11日に、「チンパンニュースチャンネルスペシャル」が特番として放映されます。この報を聞き、驚きとともに深い失意・落胆・憤りの念を隠すことはできません。私たちSAGA世話人は、今回の事態を非常に重く受け止め、あらためて関係各所に要望書等を送らせていただくことにいたしました。

 私たちの主張は変わっていません。具体的には以下の三点です。
1)チンパンジーの心身の健全な発達のために適切なケアが最重要視されるべき幼少期に、母親や仲間の個体からひきはなされ、長距離の移動や、不自然な姿勢や行動を伴う長時間の撮影など、心身に多大なストレスを被る状況に置くことは、避けるべきである。
2)放映されるチンパンジーの姿は、過度な擬人化がなされ、また、いたずらに滑稽な側面が強調されるなど、チンパンジーの本来の姿を大きく歪めるものであり、かれらの正しい理解への著しい妨げとなる。科学的にみても不適切な情報を提示することになる。
3) 「絶滅の危機に瀕した種」であるチンパンジーをテレビ番組のショーやコマーシャル出演に供すべきではなく、希少種の繁殖と研究、動物園における教育的展示の対象に限定すべきである。
以上の点から、関係各所がこれらチンパンジーの取り扱いを改善していただけるよう強く要望いたします。

 みなさまには、今後とも、人類と大型類人猿の共存する社会の実現にむけ、変わらぬご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

SAGA(アフリカ、アジアに生きる大型類人猿を支援する集い)世話人一同