植樹


アフリカ・ボッソウの森にて。樹の上でじゃれるFoafとPeley

チンパンジーの放飼場を緑でいっぱいにする、そんなことできるの?

もちろん! チンパンジーの飼育環境を彼ら本来のくらしぶりに近づけるにあたって、樹木はとても大きな役割を果たします。

How?


いくら大きい放飼場でも野生チンパンジーの誘導域と比べれば、その面積は5000分の1にも満たないものです。 そこで、樹木の機能をほかのもので代用し、樹木1本1本への負担を減少させる必要があります。

1,葉や実を食べる →給餌回数を増やす、餌の一部を採食に時間のかかるものに変える
2,枝を折り取って遊ぶ →ほかの遊具(わら、タオル、ロープなど)を入れる
3,幹や枝に登る →ジャングルジム、ブランコなど十分な三次元空間を提供する

必要な環境を整えよう

放飼場に樹木を生育させるために、必要な環境を整えましょう。
1,土
2,日光や雨
3,三次元空間
が重要です。特に3はチンパンジーが木に登って木がぼろぼろになるのを防ぎます。 野生のチンパンジーは1日の活動時間の半分以上を樹上で過ごします。そのため、飼育下にも複雑な三次元空間を作る代用物(ジャングルジム)が必要です。三次元空間があれば地面への負担を減少し、地面が踏み固められて堅くなるのも防げます。また、うまく地面に植物が生育すれば、落ちた糞も養分となるので掃除の手間が省けます。

樹木を植えよう

樹木を植えるときに気をつけること
1,植える樹種を選ぶ
2,竹杭を打つ (木の根の部分に45度の角度で打ち込む)
3,一度に樹木をたくさん植える
4,遊具を入れる

1については、最初はチンパンジーが食べない、丈夫な木を選んで植えることが大切です。
<葉を食べる木>ケヤキ、シラカシ、グミ、サルスベリなど
<葉を食べない木> サザンカ、アベリア、ナンテン、裸子植物全般
また、チンパンジーは好奇心が強く、新しいのもが大好きなため、植えてすぐの時期に樹木を引っ張って抜いてしまいます。そのため2や3を行うことが大切です。

なお、竹杭は長さ50cm(樹木が大きい場合は長さ70cm)幅2~3cmのものを使うと効果的です。また、樹木の根元部分に三方向から45度の角度で打ち込むと強度が得られます(竹元・熊崎・松沢 1996より)。

飼育施設の構造上、樹木の導入が困難な場合でも、わらを敷き詰めたり、屋根にパイプを渡したりすることで、チンパンジーの行動は大きく変わります。