三次元空間


高い木の上に登るアフリカのチンパンジー

野生のチンパンジーは、1日の約半分を樹上で過ごします。地上30mの高さまで登り、フルーツなどをほおばることもあります。飼育下の動物においても、動物福祉の観点から、その行動をより野生状態に近づけることが大切です。

トリプルタワーを建てる

1998年、高さ15mの3つのタワーが京都大学霊長類研究所に建てられました。 このタワーは、3年前に建てられた8mのタワーをまたいで作られたものです。 建築強度の都合上、正三角形に3つのタワーを建て、それぞれを結合させる方式が取られました。約10mの部分でそれぞれのタワーは結合されています。また、地上には基礎とワイヤーで固定されています。

以前タワーが8mの高さだった時に行った調査では、チンパンジー達は日中の55.8%をタワーの上で過ごしていることがわかっていました。 15mのトリプルタワー建設後に再び行った調査により、チンパンジー達が80%以上の時間をタワーの上で過ごしていることがわかりました。

ロープをたくさん張ることが、チンパンジーの落下事故を防ぐ
喧嘩が起こった時など、立体的な空間が十分あれば逃げ場が広がり怪我の減少につながります。ロープなどを充分張り、もし高い所から落ちてもそれをつかめるようにすれば、怪我をすることもありません。



効果

トリプルタワーを導入したことにより、観察できる行動の種類が飛躍的に増加しました。

ロープ渡り

高さ15mに張られたロープの上を、様々な方法で渡りました。

風景を眺める 15m地点では犬山市を一望することができます。チンパンジーはしばしば、犬山市街を眺めています。

ベットづくり

玩具として与えられているゴザや布、地面に生えている植物を10m以上の地点にまで運び、ベッドを作る行動が見られました。

おまけ
チンパンジーたちが日中の大半の時間をトリプルタワーの上で過ごすようになった分、地面の木々が守られることになりました。その結果、放飼場の緑化が一段と進みました。